渋谷で開催している「世界の中古カメラフェア」に行ってきた。
実は前日にも行っている。例の多郎左衛門の教え子の「初めてのカメラ」を買いに行ったのだ。
翌日の昼間、別件で都心に出掛けたので、帰りにちょっと寄ってみた。前日は他人のカメラを探しに行ったので、自分のためのカメラやレンズを見に行ったのだ。
特別探しているカメラやレンズがあったわけではない。もちろん、欲しいカメラやレンズは山ほどあるが、今すぐ欲しいというものは、今のところない。
…はずだった。
やってもうた。


そろそろ帰ろうかっていう時に「ロボットジュニア」というカメラが目に入った。
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「ロボット」というカメラは以前から気になっていたものだ。巻き上げがぜんまい仕掛けという凝ったつくりである。フォーマットは24×24ミリ。「ジュニア」というのはどういうモデルなのかはわからない。
店員にいって見せてもらう。どうやらこのモデルは巻き戻しができないらしい。店員曰く、「実用的ではないですね」まあ、そうね。でも趣はある。
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「それならこちらのほうが」といって店員がとりだしたのは「ロボットスターII Voll automat」というモデル。こちらは巻き戻しができる。確かに実用的だ。といっても露出計はおろか、距離計すらない。実用とはほど遠い、趣味の塊のようなカメラであることは変わりはない。しかもこちらは趣に欠ける。





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レンズはどちらもきれいだ。ただし、ジュニアがXenerの38mm/F2.8であるのに対し、スターIIのほうはRadionar38mm/F3.5だ。
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値段は税込み33,600円と37,800円。スターIIのほうには皮ケースがついているが、フタが閉まらない。ジュニアのほうにつけてみるとちゃんと閉まる。スターIIにはレンズキャップがついているが、オリジナルではないようだ。
悩んでいる(こんなんで悩んでいるところがもうまずい)と、店員はにこやかに「じゃあ、両方ということで。お安くしますから」という。「どのくらい引くの?」と訊いたのが間違いだった。半端を引くとか、消費税をサービスぐらい、せいぜいどうがんばってもふたつで6万プラス税くらいとふんでいた慈音の耳に入ってきたのは「5万プラス税」という声だった。「えっ、5万!?」
不意打ちを食らった。予想以上の値引きだった。弱った。
しばらく考えて、覚悟を決めた。
まだ、撮影していない。ネットで情報を探ると、どうやらDEPではカラーネガをプリントしてくれないらしい。モノクロで撮るか。